TAIWAN CUSTOM — FEATURE
台湾発、英国旧車への憧憬
AX studioが手掛けるヤマハSR150「愛將」。ダブルクレードルフレームを活かし、クラシックスタイルを徹底追求したA-10 Liberal。
- 撮影
- TwentyTwo custom -林東、Speed&Crafts-Weeber
- ショップ
- AX studio@_ax_studio
台湾のビルダー「AX studio」が手掛けた最新作「A-10 Liberal」。ベースとなったのは、現地で「愛將」の名で親しまれるヤマハSR150だ。英国留学経験を持つオーナーの「クリーンでブリティッシュなスタイル」という要望を受け、名車のDNAを現代的な解釈で注入するプロジェクトが始動した。
英国スタイルへの再構築
ベース車両は2006年式のヤマハSR150。台湾ではビジネスバイクとして広く認知されているこのモデルが、英国旧車の佇まいへと変貌を遂げた。AX studioは、この車両が持つダブルクレードルフレームという素性の良さに着目。クラシックなフォルムの核となる骨格部分から、徹底的な再構築に着手した。
「車体はヤマハ愛將、魂は古き良き英国車。」
機能美を追求した心臓部
エンジン外観は、クラッチカバーやジェネレーターカバーを徹底的に研磨。樹脂製だったノーマルの前スプロケットカバーは、アルミでワンオフ製作された。吸気系にはPE26キャブレターを装着し、エアクリーナーには正真正銘のビンテージトライアンフ用を流用。推定出力は10.5ps/7500rpmとされている。
骨格から見直された車体構成
本カスタムの白眉はフレームワークにある。ノーマルのサブフレームは大胆にカットされ、後方上部へとマウント位置が移設された新たなサブフレームを構築。これにより、往年の英国車のような直線的なシートレールを実現。リアショックもより直立した角度で装着され、古典的な雰囲気を高めている。
細部に宿るワンオフの意匠
燃料タンクはホンダCB100のリプロ品を流用しつつ、キャップはヤマハ純正を加工装着。ハンドル周りは、スイッチ類を左側に集約し、配線を内蔵することで極めてクリーンな外観を獲得した。ビンテージBSA等を彷彿とさせるオイルタンク風のサイドボックスは、現代的な電装系を収めるためのワンオフ品だ。
SPECIFICATION
- 01
- ベース車両: YAMAHA SR-150 愛將 (2006)
- 02
- ビルダー: AX studio (台湾・新北市)
- 03
- エンジン: PE26キャブレター / Triumph純正エアクリーナー流用
- 04
- フレーム: ワンオフ・サブフレーム / リアショックマウント移設
- 05
- ホイール: F:19インチ / R:18インチ・ワイヤースポーク
- 06
- メーター: Motogadget Motoscope Tiny Speedo
一台のありふれたビジネスバイクが、ビルダーの深い知識と技術、そしてオーナーの情熱によって、国境や時代を超越した一台のアートピースへと昇華した。細部までこだわり抜かれた作り込みは、まさに圧巻の一言だ。
公開 2026.06.01
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